恋ヶ窪動物病院 小さな家族のホームドクター

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犬ちゃんと猫ちゃんの老齢期

 動物医療の進歩や生活環境の変化などにより、犬ちゃんと猫ちゃんの寿命も年々延びています。一緒に暮らす家族としては、いつまでも元気でと願うばかりですね…

 寿命が長くなる一方で、「慢性心臓病」や「慢性肝臓病」、変形性関節症など、年齢を重ねるとともに増加する病気が目立つようになってきています。
これらの病気は、そばに居る飼い主がきずかないところで徐々に進行します。発見し治療を施しても、残念ながら病気そのものを治すことはできません。

 しかし、早期発見と治療、飼い主様による食事管理により、病気の進行を遅らせることができ、QOL(Quality Of Life:クオリティ・オブ・ライフ)の改善が期待できます。

犬ちゃんと猫ちゃんの老齢期の目安

 老齢期の目安ですが、犬ちゃんの場合は一般的に、「小型犬」が7~8歳くらいから、大型犬では6~7歳くらい。

 猫ちゃんになると7~8歳くらいからが「老齢期」と言われています。

老齢期に注意が必要な疾患

「慢性心臓病」

 心臓はご承知の通り、全身に血液を送るポンプの役割をしています。

 そのポンプの機能がうまく働かないと、肺や全身への血液を送り出すことができなくなったり、肺や全身から戻ってくる血液を受け取ることができなくなり、血液量の低下やうっ血などを引き起こします。

 全ての犬ちゃんの10%~15%が心臓病にかかると言われており、ガンに続き、犬ちゃんの死因の第2位となっています。

進行と症状

 症状として、咳、息切れ、疲れ易い、失神、呼吸困難、腹部膨満、体重減少などがあげられます。

心臓病のステージ

  • Ⅰ期 : 症状はほとんどみられない
  • Ⅱ期 : 運動すると、咳・呼吸困難などがみられる
  • Ⅲ期 : 普段の活動で、咳・呼吸困難などがみられる
  • Ⅳ期 : 安静時でも、咳・呼吸困難などがみられる

悪化要因

  • 過度の運動
  • 肥満
  • 暑さ
  • 呼吸器の感染
  • 出血
  • 貧血、妊娠など

食事管理

心臓の健康を維持するために必要な栄養素 EPA/DHA Lアルギニン 抗活性酸素物質 ビタミンB群 マグネシウム タウリン カルニチン

  • ステージに応じたナトリウム制限
  • 食欲不振、悪液質に配慮
  • 適正体重の維持

心臓の健康維持に必要な栄養素

  • EPA、DHA
  • L-アルギニン
  • 抗活性酸素物質
  • ビタミンB群
  • マグネシウム
  • タウリン
  • ガルニチン

「慢性腎臓病」

 腎臓の主な働きは、体にとって不必要な物を捨てたり(濾過機能)、体の水分調整を行う事です(濃縮機能)。慢性的かつ不可逆的に進行する腎臓の機能低下を慢性腎臓病と言います。

 また、腎臓は一度壊れてしまうともう元に戻りません。

進行と症状

 正常な腎臓機能を100%ととした場合、残された腎機能にて症状例をお話すると…

  • 100%~33%
    無症状、発見が可能な検査なし
  • 33%~25%
    尿が薄くなり始める(濃縮機能の低下:多尿・多飲・脱水・便秘など)尿検査で発見が可能
  • 25%以下
    老廃物が溜まり始める(濾過機能の低下:嘔吐・食欲不振・沈うつなど)
    血液検査で発見が可能

 血液検査で腎臓病が発見された時、すでに正常な腎臓の75%が働いていない状態となります。

食事管理

 リンの接種制限が大切となります。
リンを制限した食事により、犬猫ともに生存期間の延長が報告されています。

  • 進行に合わせたタンパク質制限
  • 健康な腎臓機能をサポートする栄養素:EPA、DHAの摂取

「変形性関節症」

 変形性関節症は、骨と骨の間でクッションの役割をしている軟骨の磨り減りや、潤滑油の役割をしている滑液が減ることにより、骨と骨が滑らかな動きが出来ずに摩擦が生じ、炎症や痛みを起こす病気です。

 成犬、成猫、それぞれ約20%に、8歳以上の医務では約80%、12歳以上の猫では90%に変形性関節症が認められたという報告があります。

進行と症状

  • 歩く様子や動きがぎこちない、また硬い(特に歩き始め)
  • 走ることやジャンプをしなくなる
  • 階段、段差を嫌がる
  • 寝ていることが多く、活動的でなくなる
  • 触られるのを嫌がる
  • 食欲の低下

 飼い主と散歩をする犬と違って、猫では、上記の症状に気が付きにくい傾向がありますが、以下のような変化が症状として現れることがあります。

  • 休む場所が変わる(ジャンプをしなければ行けない場所には行かない)
  • トイレの脇で排便する(段差をまたぐのが嫌で、トイレに入らない)
  • 全身の毛づくろいの減少、特定の部位の毛づくろいをしない、あるいは過剰にする(痛みのため)

悪化要因

  • 年齢
  • 肥満
  • 外傷
  • 高活動量
  • 遺伝的要因など

食事管理

 変形性関節症には、関節に配慮した食事線分の摂取が必要となります。具体的には…

  • コンドロイチン硫酸、グルコサミン:関節軟骨や滑液の構成成分
  • ω(オメガ)3系脂肪酸(EPA、DHA):抗炎症作用
  • ビタミンE、ビタミンCなど:抗酸化物質

 上記の成分を含んだ食事をとる一方で、適切なカロリー管理と適正体重を維持することが大切です。

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